海のダイヤ 近大マグロ/和名:クロマグロ 英名:Pacificbluefintuna 学名:Thunnus orientalis

分類:スズキ目,サバ科,マグロ類,クロマグロ

本マグロとも呼ばれ、マグロ類中、もっとも大型。近大マグロの最大記録は403kg(全長287cm)。
マグロの中で最も美味とされるが故に乱獲が進み、年間漁獲量は2.5万トン。マグロ類全体の1.4%しか漁獲されず、高価であるため「海のダイヤ」と称される。

近大マグロ®について

魚種豆知識

マグロは、口を開けて泳ぐことによって新鮮な海水を鰓に送る。そのため、一生泳ぎ続け、マグロの巡航速度は60km/h、最高速度は160km/hと言われる。マグロ肉の赤色は牛肉と同じミオグロビンの色。サーモン肉の色はアスタキサンチン。DHAやEPAを豊富に含む。

マダイ

分類

成魚は水深30~200mの岩礁や砂礫底の底付近に生息する。肉食性で、小魚、甲殻類、頭足類、貝類など小動物を幅広く捕食する。養殖マダイは年間8万トン余り生産されているが、主産地は愛媛県宇和島市とその周辺で、全国シェアの45%程度を占めている。他の産地は熊本県、三重県、長崎県、高知県、和歌山県などである。陽光の差し込む水深では日焼けして体色が濃い褐色となり商品価値が下がるため、マダイの養殖生簀の上には通常黒いネットを張って日焼けを防いでいる。

マダイ®について

魚種豆知識

日本では古くからマダイは鮮やかな赤い体色と「メデタイ」との語呂合わせから、めでたい魚と考えられ、慶祝事や神道の祭において欠かせない高級食材とされてきた。また、マダイにあやかってタイ科魚類は勿論、マダイと似た扁平な体型や赤い体色であればタイ科以外の魚でも総称して「鯛」と呼んだり、○○鯛という名の付いたものが多く見られる。 ことわざとして、「海老で鯛を釣る」 - マダイの釣り餌に小さなエビを用いることから転じ、小さな元手で大きな利益を得ることを例えたもの。「腐っても鯛」 - マダイは鮮度の落ちが遅いことから転じて、時を経てもかつての力や価値を失わないことを例えたものがある。

シマアジ

分類

亜熱帯・温帯海域の沿岸部に生息する大型のアジで、日本ではアジ類の中で最高級の食材として扱われる。成魚は通常は全長1mほどまでである。群れで海中を遊泳し、食性は肉食で遊泳するものを追って捕食する他にも、海底の砂を口で掘り、砂中に潜む小動物を吸い込んで食べる。市場にならぶほとんどが養殖ものである。

シマアジ®について

魚種豆知識

和名「シマアジ」はもともと東京・和歌山・富山・高知など各地で呼ばれていた呼称で、体側に縦帯があることから「縞鯵」、もしくは伊豆諸島など島嶼での漁獲が多いことから「島鯵」の名がある。本来超高級魚でなかなか一般には出回らないものであったが、近年、人工種苗の大量生産が可能となってから各地で養殖されるようになり、天然物に近い良質のシマアジが食卓に上るようになった。

ブリ

分類

日本での主な生息域は日本海南部と北海道南部-九州の太平洋岸で回遊性の大型肉食魚で、成魚は通常は全長1m・体重13~15kg程度までである。日本では重要な食用魚であり、各地の文化や産業に深く関わっている。春、全長数cmになった稚魚は流れ藻に寄り添って生活するようになる。この時期の稚魚は金属光沢のある黄褐色の体に赤褐色の横縞が6-11条入っており、成魚とは体色が異なる。この稚魚は日本各地で「モジャコ」(藻雑魚)と呼ばれ、この稚魚を捕獲して養殖用種苗としている。

ブリ®について

魚種豆知識

漢字で「鰤」は「『師走』(12月)に脂が乗って旨くなる魚、または「『師』は大魚であることを表すため等の説がある。また大きさによって呼び名が変わる出世魚であり、日本各地での地方名と併せて様々な呼び方をされている。関東ではモジャコ(稚魚)→ワカシ(35cm以下)→イナダ(35-60cm)→ワラサ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)、関西ではモジャコ(稚魚)→ツバス(40cm以下)→ハマチ(40-60cm)→メジロ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)とされる。

ヒラマサ

分類

全世界の亜熱帯・温帯海域に分布している。日本での地方名はマサ(東京)、ヒラス(大阪・高知・九州)等がある。成魚は1m前後であるが、約150種を含むアジ科魚類の最大種である。身はブリより脂肪が少なく歯ごたえもあり、高級食材として扱われる。旬は夏で、大型個体よりも全長1mに達しないほどの若魚が美味とされている。

ヒラマサ®について

魚種豆知識

同属のブリ に似ているが、上顎の上後端(口の真上の三角形の部分)の上の角がブリでは尖っており、ヒラマサでは丸みを帯びること、胸鰭が腹鰭より短いこと、体が側扁すること、黄色の縦帯が明瞭であることで区別できる。日本近海での産卵期は4-8月でブリより遅い。

カンパチ

分類

日本近海では同属のブリやヒラマサより漁獲量が少なく、美味な魚でもあるため、天然ものは高級食材として扱われる。養殖も盛んに行われ、その主産地は鹿児島県・錦江湾で、養殖に使用する稚魚はその大半が中国から輸入されている。平成25年度の養殖計画尾数は約850万尾であるが、近畿大学では約20万尾の養殖用種苗を生産・販売している。

カンパチについて

魚種豆知識

和名「カンパチ(間八、勘八)」の呼び名は、正面から見た際に目の上の斜め帯が漢字の「八」の字に見えることに由来する。日本での地方名は数多く、東京ではカンパ(東京)、関西ではシオ(60cmくらいまで)、鹿児島ではアカバラ、ネイゴと呼ばれる。

イシダイ

分類

北海道以南の日本沿岸に分布し、硬いくちばし状の歯で硬い殻をもった甲殻類や貝類等を食べる。大きいものは全長80cmになる。産卵期は4から7月で、直径0.8から1.0mmの卵を産む。

イシダイ®について

魚種豆知識

体色は7条の横縞が特徴であるが、雄は成長するにつれ縞が消えていく。老成した雄は全体が灰白色になり口辺部が黒いため「クチグロ」と呼ばれる。磯の王者、幻の魚と呼ばれ釣り人のあこがれの的である。

イシガキダイ

分類:スズキ目,サバ科,マグロ類,クロマグロ

本州中部以南の日本沿岸に分布し、硬いくちばし状の歯で甲殻類や貝類等を食べる。イシダイより高水温を好み、全長85cmに成長する。産卵期は4から7月で、直径1.0から1.2mmの卵を産む。

イシガキダイ®について

魚種豆知識

体型はイシダイによく似るが、体高が高く石垣模様が特徴である。老成した雄は石垣模様が不明瞭となり口辺部が白いことから「クチジロ」と呼ばれる。イシダイ同様釣り人に人気が高い。

キンダイ

キンダイはイシダイの卵にイシガキダイの精子をかけた交雑種で、イシダイの横縞とイシガキダイの斑紋があらわれている。飼育しやすいイシダイと成長の速いイシガキダイの長所をそなえたハイブリッド。

キンダイ®について

魚種豆知識

イシダイとイシガキダイの交雑は自然界でも稀に起こっていたが、ハイブリッドの雄は極めて少なく、ほとんどが雌。

ヒラメ

分類

左ヒラメに右カレイと称されるように頭部の左に両目が偏っているのが特徴。自然界では海底の砂と同じ色の保護色になっている。普段は砂に潜って眼だけを出して、エサになる魚が近づくのを待ち伏せている。大きなものは10kgにもなる。ひれの付け根の筋肉は「エンガワ」と呼ばれ、大変美味。

ヒラメ®について

魚種豆知識

卵から孵化して暫くは、普通の魚と同様に泳ぎ、眼も体の両側にある。やがて右の眼が頭の左に移動して、底に着底し、これを変態と言う。両目がある表側(砂のような色をしている)を有眼側、目の無い裏側(真っ白い)を無眼側と呼ぶ。天然のヒラメの無眼側は真っ白だが、養殖ヒラメでは着色している場合がある。その原因の多くは仔稚魚期の餌料や養殖期間中の光条件にあると言われている。

トラフグ

分類

北海道以南の各地、および黄海、東シナ海に分布している。全長は70cmに達し、食用になるフグ類のなかでは大形種である。食用として取引されるフグの中では最も高級とされるが、他のフグ類同様、フグ毒(テトロドトキシンという神経毒)を含むため、調理には免許が必要とされる。卵巣、肝臓は強毒、腸は弱毒、筋肉、精巣、皮膚は無毒であり、特に精巣(白子)はクリームのような滑らかな味に旨味と、上品な甘味があり絶品である。

トラフグ®について

魚種豆知識

刺身は薄造りにし、大阪ではこれを「てっさ(鉄刺)」と言う。鍋は醤油味をつけない「ちり」。大阪では「てっちり」と言う。鰭(ひれ)は干して焦がすくらいに焼き、熱燗を注ぎ鰭酒(ひれざけ)にする。漢字では「虎河豚」と書くが、虎のような紋様があるわけでもなく、その由来は不明である。

クエ

分類

西日本から東シナ海、南シナ海のサンゴ礁域や岩礁域に生息している。大型ハタの仲間で、ハタ類中最も美味とされ、「クエを食ったら他の魚を食えん」といわれるほどである。近年は、天然物の漁獲量も少なく「幻の魚」と称される。

クエ®について

魚種豆知識

クエは雌性先熟といって生まれてからは全て雌で、その集団の中の大きな個体が雄へと性転換し、大型魚になれば雄の出現率が高くなる。

マハタ

分類

東京都、新潟県以南、シナ海、インド洋に分布。体は暗紫色で、7条の黒褐色の横帯があるが、成魚ではこれらの横帯は不明瞭となる。釣りや底曳網で漁獲され、体長は90cmに達する。他の多くのハタ類と同様に雌から雄へ性転換する。

マハタ®について

魚種豆知識

同じくハタ科のクエに比べると知名度は低いが、大変美味で高級魚である。クエの方がより大型になるが、幼魚期の成長は紀南地方や四国、九州など海水魚養殖の盛んな海域ではクエよりも早いため養殖魚として期待されている。

カサゴ

分類

和名は、頭部が大きく笠をかぶっているように見えることから俗称「笠子」に由来すると言われている。関西では、ガシラとも言う。浅い所に棲むカサゴは岩や海藻の色に合わせた褐色が多いが、深い所に棲むカサゴは鮮やかな赤色をしている。磯釣りの対象魚としても人気があり、身は白身魚としては比較的脂質が多く美味である。

カサゴ®について

魚種豆知識

カサゴは「卵胎生」で交尾によって受精し、仔魚を産む。そのため雄には交尾器が発達しているので、外観上から雄と雌の判別が可能である。雌は早ければ70g位で親になる。

オニオコゼ

分類

体色は浅い場所に生息するものは茶褐色、深場に生息するものは赤または黄色を呈する。底生性で、日中はあまり泳ぎまわることがなく海底に潜み砂や石に擬態して、上向きの口で夜間に小魚などを捕食する。体表に鱗はなくカサゴ類と同様にイボ状、房状の突起が発達しており、背鰭の棘に毒腺を持っている。

オコゼ®について

魚種豆知識

背鰭の棘に毒腺があるため刺されると激しく痛む。刺された時は50℃前後の手を浸していられる程度のお湯に刺された部分を浸すと毒は熱分解する。応急処置後は病院で治療を受けること。

イサキ

分類

成魚は全長45cmに達する。体型はやや前後に細長い紡錘形で、体表は細かい鱗が密集し、ザラザラしている。旬は初夏で、刺身・焼き魚・煮魚・唐揚げなどいろいろな料理で食べられる。近年養殖技術の研究が進み、市場にも養殖ものが流通している。

イサキ®について

魚種豆知識

和名「イサキ」は磯に棲むことに因んだ「磯魚」(イソキ)、または幼魚の縞に因んだ「班魚」(イサキ)に由来すると言われ、これに「伊佐木」「伊佐幾」という漢字が当てられている。もう一つの漢字「鶏魚」は背鰭の棘条がニワトリの鶏冠に似ているためという説があり、これは英名Chicken gruntも同じである。

スマカツオ

スズキ目、サバ科の魚でカツオやマグロに近く、全長1m、体重10kgまで成長する。特徴として体側の胸鰭の下に3つの黒点があり、灸の痕のように見えるため、ヤイトと呼ぶ地方もある。日本の中部以南や西太平洋からインド洋の亜熱帯海域に広く分布している。

スマカツオ®について

魚種豆知識

産卵期がマグロと同じなので、天然のスマの卵がマグロの採卵時に混入することがある。初期の成長はマグロより早く、大事なマグロの仔魚が食べられてしまうことがある。カツオによく似ているが肉質はマグロに近く、脂が霜降り状に乗り、大変美味。漁獲が少ない極旨の魚は、漁師が食べてしまい、一般の市場には出荷されないことがある。

マアナゴ

分類

マアナゴは美味しい魚であるが天然漁獲量は減ってきている。
養殖のマアナゴは天然よりも味が濃厚で、漁期を問わずに供給できる。

マアナゴ®について

魚種豆知識

イカナゴのシラス採捕の時に混獲され未利用であったノレソレ(アナゴのレプトケファルス幼生)からの飼育を始めたのは、近畿大学が最初。

アユ

分類

1年で一生を終えてしまうという短い命だが、秋に生まれた稚魚は、海に下って、冬の間河口の近くで成長し、翌年の春に勢いよく川をさかのぼり、なわばりを作って生活する。香魚と呼ばれるほど上品な香りで、非常に美味である。

アユ®について

魚種豆知識

アユの餌は川底の石や岩に付着した藻類を食べており、自分の食事を確保しようとしてなわばりを持つようになる。そして友釣りという漁法は、このテリトリーを守ろうとする本能を利用したアユ独特の釣法。

チョウザメ

分類

古代魚であるシーラカンスが多く生存していた時代から、ほとんど進化していない魚類で、生存数が減少してきており、種類によってはワシントン条約の規制対象魚種になっている。卵の塩漬けは世界三大珍味の一つであるキャビアとして非常に有名。

チョウザメ®について

魚種豆知識

名前の由来は、体の表面に大きな板状の鱗があり、その形が昆虫のチョウチョに似ているからと言われている。寿命は60年前後と言われていて非常に長寿。

アマゴ

分類

水温が20℃以下の渓流域(河川の上流)に生息し、サケの仲間である。ほとんどは河川で一生を終えるが、ごく一部は海へ下るものがあり、それらはサツキマスと呼ばれ生存数が激減している。淡白な味で非常に美味である。

アマゴ®について

魚種豆知識

春になると動きが活発になり、特に雨の後は非常に活発に行動する。そのため和歌山県の一部の地域では「アメノウオ」や「コサメ」といった呼び名があり、釣りの対象魚として人気がある。

サクラマス

分類

九州北部、日本海全域、太平洋北西部を中心に分布する。稚魚期の1から2年を川で過ごし、スモルト化して海へ降る。通常1年後に溯上して8から11月に産卵して一生を終える。

サクラマス®について

魚種豆知識

ヤマメは体側にパーマークと呼ばれる青色で小判状の斑点があり、一生を河川で過ごす陸封型である。富山県のマス寿しは元来このサクラマスを使用してつくられたものである。

ニジマス

分類

陸封型であるニジマスは内水面で養殖や釣り放流が盛んに行われている。海面養殖にはこの降海型を品種改良したものを用い、チリなどから輸入され、トラウトサーモンやトラウト等の名で市場に出ている。

ニジマス®について

魚種豆知識

原種はカムチャッカ半島、アラスカからメキシコ北西部にかけた北米大陸に分布する。元来日本には生息していない外来種であり、1877年以降にアメリカから移入された。

エゾアワビ

エゾアワビは腹足類前鰓亜網原子腹足目ミミガイ科ミミガイ属に分類される。本種は北海道日本海沿岸、本州西岸の秋田県、青森県から茨城県に至る太平洋沿岸の岩礁地帯に主として分布する。

エゾアワビ®について

魚種豆知識

産卵時期は秋から冬。雌は腹に緑色の卵を、雄は乳白色の精巣を持つ。卵は半日でふ化幼生、7日後にはアワビの形となり、約3年で7cmに成長。

ハマフエフキ

分類

千葉県以南からインド・西太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布し、そのサンゴ礁域や岩礁域に生息している。奄美・沖縄では「タマン」と呼ばれ、大きいもので1m近くまで成長する。亜熱帯域を代表する大型高級魚で、強い引きを楽しむ夜釣りの魚としても人気で、2012年「全国豊かな海づくり大会」で天皇陛下が沖縄の海へ御放流された。

ハマフエフキ®について

魚種豆知識

口先が笛を吹いているように前方に突き出ている。口の中が赤いのも特徴で、クチビ(口火)と呼ぶ地域もある。また体表の青白色の斑点模様がスパンコールのようで英名の語源とされていて、雄性先熟の魚である。

ヤイトハタ

分類

和歌山県以南からインド・西太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布し、そのサンゴ礁域や岩礁域に生息している。大きいもので2m近くまで成長する暖海性の大型ハタで、2012年「全国豊かな海づくり大会」で天皇陛下が沖縄の海へ御放流された。

ヤイトハタ®について

魚種豆知識

体表の黒褐色の斑点模様がお灸の跡のようにみえるのがその名の由来。体表以外に口の中にもきれいな斑点模様があり、クエと同じく雌性先塾の魚である。