日本での主な生息域は日本海南部と北海道南部-九州の太平洋岸で回遊性の大型肉食魚で、成魚は通常は全長1m・体重13~15kg程度までである。日本では重要な食用魚であり、各地の文化や産業に深く関わっている。春、全長数cmになった稚魚は流れ藻に寄り添って生活するようになる。この時期の稚魚は金属光沢のある黄褐色の体に赤褐色の横縞が6-11条入っており、成魚とは体色が異なる。この稚魚は日本各地で「モジャコ」(藻雑魚)と呼ばれ、この稚魚を捕獲して養殖用種苗としている。
魚種豆知識
漢字で「鰤」は「『師走』(12月)に脂が乗って旨くなる魚、または「『師』は大魚であることを表すため等の説がある。また大きさによって呼び名が変わる出世魚であり、日本各地での地方名と併せて様々な呼び方をされている。関東ではモジャコ(稚魚)→ワカシ(35cm以下)→イナダ(35-60cm)→ワラサ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)、関西ではモジャコ(稚魚)→ツバス(40cm以下)→ハマチ(40-60cm)→メジロ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)とされる。
養殖方法
一般的には春先に「モジャコ」(藻雑魚)と呼ばれる稚魚を捕獲して養殖用種苗としており、1年で2.5㎏、2年で5.0㎏に成長します。
養殖の歴史1960年 長崎県男女群島で人工ふ化実験を行う。 1968年 世界で初めて人工ふ化に成功。 2012年 完全養殖魚の生産開始。
生産現場の様子
1960年 | 長崎県男女群島で人工ふ化実験を行う。 |
---|---|
1968年 | 世界で初めて人工ふ化に成功。 |
2012年 | 完全養殖魚の生産開始。 |
ブリもクロマグロと同様に完全養殖に取り組んでいます。またこれまでは4月頃だった産卵期を2ヶ月以上早めることで、天然種苗(モジャコ)とは違う時期に養殖を始めることが可能になり、周年出荷の態勢を取りやすくしています。